KDDIの通信網を使ったauのMVNOであるmineo(マイネオ)とUQ mobileが何かと大きな話題を集めています。
これまでauの回線を使ったMVNOは、3G(CDMA2000)での通信が出来ないということと、単純にMVNOとしてマイナーな存在ということもあってそれほど人気はありませんでした。話題にあがる主要な格安SIMは殆どがdocomo系MVNOという状態でした。
しかしMVNOの選び方が料金やSIMの系統というところから、その品質や運営姿勢といったところへと視点が変わってきたここ最近は、その品質などの項目でdocomo系MVNOよりもよい通信環境を提供してくれているau系のMVNOへの注目が高まっています。
更にau回線に対応したスマホを持っていなくても、白ロムを低価格で購入出来るため、格安スマホとして全てを揃えるのも少ない予算で対応可能です。
こうした品質面でも評判の高まりと低予算で高スペックな格安スマホセットが契約できるということで、今au系MVNOには注目が集まり、実際に人気も出てきています。
そこで今回はこのau回線を使ったMVNOにどのような特徴があるのかということを、解説してそれぞれのMVNOの魅力をお伝えしましょう。
機能のmineo
機能比較
それぞれのMVNOの魅力を説明する方法として、互いの格安SIMについての比較をする中で伝えていくようにします。これなら比較と同時にmineoとUQ mobileの特徴の違いを把握出来るでしょう。
まず最初の比較は「機能とサービス」という項目です。
機能ではau系MVNOの中で比較するとmineoが圧倒的にメリットの高い内容になっています。
具体的にどういう機能がmineoとUQ mobileにあるのかという点を比較してみるとこのように使える機能とサービスが一目瞭然で違います。
mineo | UQ mobile | |
速度切り替え | ○ | |
バースト転送 | ○ | ○ |
SMSオプション無料 | ○ | ○ |
パケット繰り越し | ○ | |
パケットシェア | ○ | |
パケットギフト | ○ | |
家族・複数回線割 | ○ | |
au⇔docomo切り替え | ○ |
この機能の豊富さについてはUQ mobileが少なすぎるという側面と、mineoが多すぎるという側面があります。mineoのこの機能とサービスの豊富さについては、docomo系MVNOと比較してもIIJmioやNifMoのような多機能格安SIMに肩を並べる多さです。
低速通信への切り替えが自由自在で可能なため、高速なデータ通信量を使う場面を切り替えられます。その低速回線には接続時の数秒だけバースト機能が発現するため、低速回線の中でも快適な通信をしてくれます。更にちゃんと200kbpsという速度を維持するように調整されているので、一部の回線のように低速回線すら遅いという心配はありません。この辺りはmineoがマイネ王の中で明言しています。
そしてこれはUQ mobileも機能としてありますが、SMSオプションが無料というのも何気に大きいでしょう。docomo系MVNOだと有料で140円前後のオプション料金が無料になります。ショートメッセージはもちろん、接続切り替えの早さなんかもメリットになるでしょう。
mineoの機能の特色としては、2回線以上の利用者グループに対して優遇策を用意しているということも挙げられます。家族割と複数回線割は、名称と適用の仕方が少し違うだけで、2回線以上持っている人々に対して各回線50円づつを割り引いてくれるというサービスです。パケットシェア・パケットギフトは、家族間の余ったデータ通信量を分け合えるだけではなく、接点のないmineoユーザーにまでデータ通信量をパケットとして分けることのできるという機能になっています。
そしてmineo最大の特徴はマルチキャリア展開によるau⇔docomo間のMVNO回線の切り替えが可能な点にあります。2000円の交換手数料によって、au網の回線からdocomo網の回線へと電話番号そのままに切り替えができるため、音声回線を使っている場合でも切り替えが簡単ですし、データプランでも新規に契約しなおすよりも安くていいです。手ごろなギリギリの費用でau⇔docomo間の切り替えができるのは今のところmineoだけとなっています。
その他細かい機能は表にある通りで、UQ mobileに比べると使いやすさで差を広げていますし、docomo系MVNOとも比較してもトップクラスの充実機能となっています。
mineoの良さ・メリットはこの機能とサービスという付加価値といった部分になるでしょう。
速度のUQ mobile
速度比較
機能(とついでに料金)を比較した次は、速度という比較しやすい数値を取り上げてみましょう。
MMD研究所の調査では、MVNO格安SIMにスマホ回線を切り替えたという人が不満を持つ事柄として、約4割(38%)の人が速度が遅いことに不満を持っていると答えています。MVNOは今のところ、安く使える回線ではあるものの、その代償として特定の時間帯に速度の遅くなる難点を持っています。そのためにこうした速度に関する不満が1位に来るようになっています。
速度の低下・低速化はMVNOによって程度は違いますが、ひどいところになると常時1Mbpsの速度すら出せない格安SIMも存在しており、不満が溜まるのも理解できる遅さがでているところがあります。昨今の各サイトのスマホ対応化と、高速LTE通信を前提にしたサイトコンテンツの大容量化によって、格安SIMの低速では対応できないネットサービスも増えています。
こうした速度の問題はMVNOのブームが広がるにつれ話題になっていき、今ではMVNO格安SIMを選ぶ視点においては料金よりも重要な要素のひとつとして捉えられるようになっています。
この速度をmineoとUQ mobileで比較すると、UQ mobileがかなりの好成績を残しているのが確認できます。
左がmineoで、お昼には0.65Mbpsという低速化が見え、その他の時間帯も5Mbpsぐらいが平均値です。右のUQ mobileはお昼でも9.14Mbpsで、そのほかの時間帯も10Mbpsに近い速度が平均値として出ているのがわかります。
この結果は何もmineoとUQ mobile間特有の差というわけではありません。他社のMVNOと比べると、mineoもこれでもマシなほうです。人気のIIJmioなんかではここまでの速度は出ませんし、そもそもdocomo系MVNOだとNifMoなどの限られたMVNOしか速度は出ません。そんなマシな状態のmineoよりももっと良い速度をどの時間帯でもあらわしているのがUQ mobileです。
実はこのUQ mobileは、MVNOの中でも極めて異例な存在で、速度に関してはサービスを開始した当初から評判がよく、その評判の良さがここまで一切陰ることなく続いてきた稀有な格安SIMです。この速度が好調な理由は、恐らくですがUQ mobileを運営している会社がKDDIバリューイネイブラーというauを運営するKDDIの子会社という立ち位置とも関係していることが理由の一つになるかもしれません。MVNO回線元を提供している会社の子会社ということで、品質に悪評が付くことを避けるために特別な優遇がされているとみられています。
このように速度ではUQ mobileはdocomo系MVNOと比較しても反則技に近い常時高速状態という回線品質を保っていて、機能ではmineoにこそ圧倒されてしまいますが、一番重要視されているこの通信速度ではmineoどころかほぼ全てのMVNOを圧倒する内容になっています。UQ mobileは機能やサービスでは弱いものの、良さ・メリットが通信速度というところに集約されています。
mineoとUQ mobile、どちらを選ぶべきか
今回の比較のように、mineoとUQ mobileにはそれぞれ秀でた特徴というものがあるため、au系のMVNOとしてはどちらも契約する価値のある存在だと言えます。どちらが良い・悪いというのはなく、完全に用途によって選び分けることの出来る2種類のMVNOです。
選び方の基準の一例としては、お昼の速度が遅くても平気という人ならmineoで多機能回線を、お昼にも通信を快適にしたいのならUQ mobileの高速回線を選ぶようにするとわかりやすいと思います。
ただ2015年10月31日までならば、mineoがキャンペーン中となるため、UQ mobileを選ぶ人もとりあえずmineoも追加で頼んで2つのSIMを使い分けてみるというのがいいでしょう。
キャンペーンの内容は、10月31日までに新規契約した人全員に、毎月800円分の割引を6ヵ月間適用するというものです。「全員」に「800円引き」を「6ヵ月」行うのです。これはMVNO各社やMNOのキャリア合わせても相当に凄いキャンペーン内容です。
mineo 最大30ヶ月基本料相当無料キャンペーン! au/docomoプラン共通
データプランであろうと、最安の500MBプランであろうとも適用され、キャンペーンが終わって解約しても解約金がありませんし、プランによっては6ヵ月間0円で使えるというこれまで見たことのない凄い内容です。800円で収まるプランは500MBと1GBのデータプランで、このプランなら6ヵ月無料です。3GBのプランも900円しかしないため、800円引きで毎月100円の格安SIMを超えた激安SIMとして利用できます。
このキャンペーンが10月31日までの契約に必ず適用されるため、mineoを試そうとしている人や契約を考えている人はこの期間中に契約したほうがいいですし、UQ mobileを契約したいと考えている人も、3GBで100円のmineo回線という予備回線が手に入るため、とりあえず6ヶ月間だけデータプランを契約するのもいいでしょう。
以上のようにmineoとUQ mobileで比較をしてみた場合、機能ならmineo、速度ならUQ mobileという分け方ができ、そこにキャンペーンという限定的な比較要素として今mineoが盛り上がってきています。どちらを契約するにしてもmineoのキャンペーンはとりあえず利用してみるのがいいかもしれません。
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